20200109

12月の俳句(俳句??)

 

そこにあると分かりすぎて 見えないふりをする

純潔をたもって帰る 朝食は冷めてる

もし君が花なら蘭 僕の部屋の窓辺の

歴史にはならなかったイヴの沐浴

雪 冬の詩歌を包む装飾句

夜行バスがあるなら 夜光バスがあってもいい

一、光りたいならまず光らせてみること

泳いでも疲れない体に生まれた

ABCを数の代わりにする朝餉

食パンを袈裟斬りして 君には大きすぎる

君が海岸の砂であったら済んだ話を

契らずに行く 帰るまで開けておく窓

酢飯冷やして だんだん更けていく夜

手のひらで溶けてもいいから雪を握る

つるつるでありたい 光の束として

そこからが君でここから海らしい

いつも問二をとばす 満点にはさせない

イェイイェイでサビの歌詞だけ聞き取れない

かつて穴だった 形が思い出せない

明日の海にかけてみる

俺たちの敵は俺たち すぐ冷める

小走りじゃ間に合わなかった最終電車

韋駄天神 やがて君にたどりつく夜

日の出では足りない 光る前にまたたく

近すぎて見えない 君も海に感じる