20200329

口語詩句新人賞で奨励賞に選ばれました。もう10万円の使い道しか考えてないです(嘘です、就活の資金にすべてなります)

口語詩句奨学生にも選ばれました。よかった、来年度も生きていける。

「基礎としての水」という題で5首選んだので載せておきます、保存として。

 

基礎としての水

火でも沸く電気でも沸く水 無傷

水でみたすための器でない体

塩舐めて海になる 体は眠ってる

パキラが水を吸ってくれて助かる

くるぶしまでしか海を知らない

 

2月と3月の俳句

時間差で聞こえる声 ここにはいない君

「さよなら」を言った口で「いただきます」とも言う

燃やすための国旗 ほとんど二色刷り

ふくらんで しぼむまで風船なゴム

どぶ川に満月 鏡の反射率

横顔が飼ってる犬に似てたから

内臓を想像できないまま死ぬ

口笛をあげたあの子からの手紙

ピンで街を刺さないと留められない地図

愛しかないなら やめます

イメージで生きて イメージで死ぬ 何度も

まだ季語でない名詞群 川に流す

君が君の体をすてて去る理由

いっせーのせで光になる演技