20190428

地上一寸の話しようかな。地上一寸の話しますね。

「地上一寸の生」っていう言葉が禅の世界にはあるらしいけど詳しく知らないのでスルーします。いや完全にスルーというわけじゃないんだけど。禅僧がいたら教えて。

 

上田三四二さんって俳人がいました。平成元年に亡くなっておられるので彼の話をするのもなんとなく縁があるようでいいじゃないっすか、ね。

京都帝大医学部をでて医者として一生を送りつつ、精力的に創作に努めた方であります。めちゃくちゃ賞とってる。すごいよね。

彼曰く、短歌や俳句は日本語の底荷であるそうです。底荷ってのは船の底に積むおもりのようなもので、これで船が安定して運航できるのです。うん、素晴らしい表現。

かんけーないけど底荷を意味するballastっていう英単語、過去の京大入試に出てきたよね。覚えてねーなら別にいいっす。

そして上田三四二さんは歌とは浄念であるともいいました。歌とは愛であるとも。

 

西行という平安末期くらいに名を馳せた人がいます。俺と同じ年くらいまで武士として生き、その後は出家して各地を転々としつつ歌を作った人です。上田三四二さんは彼の歌をこう表します。「地上一寸」

 

肉体はこの地から離れることができないけれども、魂は天を目指している。その相克の発露こそが地上から一寸、つまり約3cm肉体を浮かせる力を生むっていってんです。もちろん比喩です。体は浮きません。跳びますが。

 

この「地上一寸」って言葉、高校の時に知って以来ずっと頭から離れないものの一つなんですよ。肉体と魂の関係を言ったものでもあるし、創作の心得みたいなものでもあるし。概念的な言葉であらわすならば「両義性」ですよね。もしくは弁証法止揚。肉体と魂の美しい結合。精神的肉体、肉体的精神を持つことが大事じゃないんすかね。

ちなみに上田三四二をして「地上一尺」なる歌を詠む人がいるらしいです。明恵っていう坊さんなんですけど、まじで何者やねん。

 

えーっと、ここで前回の二項対立の話にもどるわけですが、その前にYUKIさんの話しますね。知ってます? YUKIさん。

JUDY AND MARYのボーカルっすね。キュートな歌声で人々を魅了しました。雑紹介。彼女がそのバンド名を紹介してる動画があるんでみてください。

簡単に説明すっと

JUDYが快活な女の子

MARYがマリファナスラング

を意味すんだってさ。超クールじゃん。韻ふんでるしね。んで要はポジティブ アンド ネガティブじゃん?っていってるわけ、YUKIちゃんは。この時23歳くらいらしいよ。かわいいね。

でもそう単純に割り切れないよね、ポジの中にはネガが、ネガの中にはポジがあるやん。とも言ってる。これ観て「脱構築じゃん」ってなった人けっこういんじゃない。いねーか。

 

脱構築がなんつーかっていうと、調べて。簡単に言うと(簡単にいうな、ジャック・デリダに怒られっぞ)今まで二項対立的に扱ってきたものって白と黒みたいに完全に相いれない存在としてあつかってきたけどさ、それって間違いじゃね?っていう感じかな。卑近な例をだすと、男と女ってまるで真逆の存在みたいに扱われてきたけどさ、別にそうじゃないじゃんね、みたいな。

中国の太極図ってあるじゃん。円が白黒の勾玉で分かれてるやつ。あれさ、白には黒の、黒には白の小さな円が混じってるやん。脱構築はそういうことよ。ある独立した要素というものは存在しません、つまりそんな空想の存在を前提としてる二項対立は間違いだったね、残念。もっと柔軟な考え方しようぜ。っていうかお前らのその固定観念に縛られて作られてきた体制とかすべてミスってんじゃね?ヤバ っていう。

YUKIちゃん、あんた脱構築してんで。かわいい顔して脱構築してんで、っていう。

そうだそうだ、前回の話ね。俺さ、究極的な判断ではどちらかを頼るしかなくねって言ったけどさ、それは究極の判断であって生活ではありません。生活は両者の緩やかね結合を図ることです。もしくはバランスを保つことです。んなこと知ってるって? あんたほんとすげーよ。

 

えーとえーとなんの話してたんだっけ。

犬はかわいいって話ですか?そうですか

犬は安全な動物です。

触る。ええわ。

抱く、なおええわ。